TRONについて
TRON(TRX)とは?
TRON(TRX)は、Tron Foundationが開発し、2017年にローンチした分散型のブロックチェーン基盤オペレーティングシステムである。TRXトークンは当初、Ethereum上のERC-20トークンとして発行されたが、約1年後に独自ネットワークへ移行した。
当初の目的は、デジタルコンテンツ制作者に「完全な所有権」をもたらすことだった。主眼は、収益の一部しか得られていないコンテンツ制作者を支援し、より多くの報酬を得られるようにする点にある。方法としては、YouTube、Facebook、Appleのような仲介者を介さず、コンテンツ消費者が制作者へ直接報酬を送れるようにすることを掲げている。
TRONソフトウェアは、スマートコントラクト、複数種類のブロックチェーンシステム、分散型アプリケーション(dApps)をサポートする。この暗号資産プラットフォームはBitcoin(BTC)に類似したトランザクションモデル、すなわちUTXOを採用している。取引はパブリック・レジャー上で行われ、ユーザーは操作履歴を追跡できる。
そのため、TRONは「分散型インターネット」の構築を目的に設計され、開発者がdAppsを作るための基盤として機能し、Ethereumの代替となることも志向している。TRONネットワーク上では誰でもdAppsを作成でき、コンテンツを提供し、その対価としてデジタル資産を受け取れる。取引手数料を過度に気にせずコンテンツを作成・共有できる点は、TRONの明確な利点とされている。
TRONの創設者は?
TRONはJustin Sun(ジャスティン・サン)によって創設され、現在もCEOを務めている。北京大学およびペンシルベニア大学で学び、Forbes Asiaの「30 Under 30(30歳未満の30人)」で起業家として選出された経歴を持つ。
1990年生まれで、過去にはRippleにも関わりがあり、中華圏における首席代表を務めたとされる。
TRONの独自性は?
TRONは、コンテンツ制作者がオーディエンスと直接つながれる環境を目指している。配信サービス、アプリストア、音楽サイトなどの中央集権的プラットフォームを排除することで、制作者が仲介者に支払う手数料(コミッション)を減らせる可能性がある。結果として、消費者にとってコンテンツが安くなることも期待される。エンタメ産業のデジタル化が進む中、TRONはこの領域でブロックチェーン技術を適用するうえで先行できる可能性がある。
また同社は、Ripple Labsなど大手企業出身者を含む、世界各地に分散した有能で経験豊富な開発チームを擁しているとも述べている。
さらに、他のブロックチェーンプロジェクトが開発計画を不透明にしがちな一方で、TRONは今後数年の意図を示すロードマップを提供している点を差別化要因としている。
流通しているTRON(TRX)はいくら?
TRONの総供給量は1,000億枚超で、執筆時点では約716億枚が流通している。
2017年のトークンセールでは、157.5億TRXがプライベート投資家に割り当てられ、さらに400億TRXがICO参加者向けに確保された。Tron Foundationには340億TRXが付与され、Justin Sunが所有する企業には100億TRXが割り当てられた。
合計すると、TRX供給量の45%が創設者とプロジェクト側に、55%が投資家に配分されたことになる。批評家は、これは他の暗号資産プロジェクトと比べて創設者・プロジェクト側への配分比率が高いと主張している。
TRONネットワークはどのように保護されているのか?
TRONは、委任型プルーフ・オブ・ステーク(Delegated Proof-of-Stake)と呼ばれるコンセンサスメカニズムを採用している。
TRX保有者は、暗号資産をフリーズ(凍結)してTron Powerを得ることで、ブロック生成者として機能する「スーパー代表(Super Representatives)」に投票できる。
これらのブロック生成者は取引の検証に対してTRX報酬を受け取り、その報酬は彼らに投票した人々へ分配される。
TRONによれば、この方式はブロックチェーンのスループット(処理能力)を高めるのに役立つという。