2026年第1四半期のイーサリアムの四半期トランザクション数は2億40万件に達し、四半期ベースで初めて2億件を超えた。これは2023年の低迷期から倍以上の増加にあたる。
世界最大のスマートコントラクト・ブロックチェーンであるイーサリアムは、過去最高となる四半期稼働を達成した一方で、トークン価格はほとんど動きを見せていない。
Artemisのデータによれば、2026年第1四半期にイーサリアムのベースレイヤー上で処理されたトランザクション数は2億40万件に達し、単一四半期として初めて2億件を突破した。2023年には四半期トランザクション数が約9,000万件にまで落ち込み、その後2024年の大半は1億件から1億2,000万件の間で横ばいで推移していた。
イーサリアムのスマートコントラクト・ブロックチェーンは、銀行や弁護士などの仲介者を必要とせずに契約を自動的に実行する分散型システムである。イーサリアム上のトランザクションとは、ネイティブトークンであるイーサ(ETH)の送付、スマートコントラクトとのやり取り、トークンの移転などの記録を指し、安全に処理されてブロックチェーン上に刻まれる。
レイヤー2とステーブルコインが成長を牽引
イーサリアムのオンチェーン活動回復は2025年半ばに始まり、その後は四半期ごとに活動水準が前期を上回る傾向となった。そして2026年第1四半期には、2025年第4四半期の1億4,500万件から43%増加し、2023年の底から明確なU字型回復を示した。
しかし、イーサリアムのネイティブトークンであるイーサは、2025年8月の約5,000ドルという高値から依然として半値以下の水準にあり、金曜日朝時点で約2,328ドルで推移している。この乖離は、ファンダメンタルズの成長や各種指標を活用するトレーダーにとって、機会の可能性も示している。
トラフィックの大半はレイヤー2で発生している。レイヤー2とは、イーサリアム上に構築された別個のネットワークで、安価にトランザクションを処理し、その後まとめてメインチェーンへ送り最終決済を行う仕組みだ。レイヤー2は、自転車に付けられた荷台のようなもので、本体で運べない量を積む役割を担う。
中でも最大規模を誇るのがBaseとArbitrumで、ユーザーは低い手数料を求めてこれらのネットワークを利用する。その活動はイーサリアムベースレイヤー上では決済やブリッジの形で現れている。
また、ステーブルコイン、すなわち法定通貨をトークン化したものもイーサリアム上で大量に流通している。Token Terminalのデータによると、イーサリアム上のステーブルコイン総供給量は過去最高の1,800億ドルに達し、世界のステーブルコイン市場全体の約60%を占めている。
これら二つの流れはいずれも、エンドユーザーが直接ベースレイヤーに触れない場合でも、決済やブリッジ活動を通じてレイヤー1上のトランザクション数を押し上げている。
一方、一部のアナリストは、レイヤー2活動がベースレイヤーの手数料圧力を覆い隠しているというリスクを指摘している。
Dencunアップグレードによりレイヤー2向けのデータコストが大幅に低減した結果、イーサリアムは1件あたりのトランザクションから得る収益が減少している。つまり、活動量の増加が必ずしもバーンの増加や保有者価値の向上に直結しなくなっている。
より広い観点で見ると、イーサリアムの利用状況は、通常であれば価格変動の後に起こるものではなく、その前段階で数年がかりの回復を完了したと評価できる。
この四半期が真の転換点となるか、あるいは局所的なサイクルの頂点となるかは、2026年第2四半期にも2億件を維持できるかどうか、さらにこの成長が近年オンチェーンのステーブルコイン取引量を支配しているボット活動ではなく、実際の新規ユーザー流入によって支えられているかにかかっている。
