ブラックロック(BlackRock)やフィデリティ(Fidelity)など伝統的な金融大手が暗号資産(仮想通貨)への取り組みを深め、「RWA(現実資産)トークン化」の分野で大きな成果を上げている中、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)も独自の暗号資産プロジェクトを準備しているようだ。
フォーチュン(Fortune)が最初に伝えたところによると、ゴールドマン・サックスのデジタル資産担当グローバルヘッドであるマシュー・マクダーモット(Mathew McDermott)氏は顧客の暗号資産への関心の大きな高まりによって、3つのトークン化プロジェクトを立ち上げる計画だと述べたという。
またザ・ブロック(The Block)は、ファンドの詳細は不明だが、1つはアメリカのファンド分野をターゲットとし、もう1つはヨーロッパの債券市場をターゲットにする。また、トークン化された資産のマーケットプレイスを創設する計画もあると伝えている。
ゴールドマン・サックスがトークン化のトレンドに早くから着目していたことは間違いないが、オープンブロックチェーンの利用を完全に受け入れるまでには至っていない。マクダーモット氏は今回も、規制上の懸念からイーサリアムのような完全に分散化されたブロックチェーンではなく、パーミッションド・プライベートチェーンの使用に焦点を当てると述べている。
競合他社の多くはすでに暗号資産分野への参加に向けた動きを見せている。たとえば、JPモルガン(JPMorgan)は2020年に独自のブロックチェーン・プラットフォームを立ち上げ、現在100人以上を雇用している。一方、シティグループ(Citigroup)はプライベートファンドのトークン化を検討している。中でも、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」は最近、運用資産が5億ドル(約800億円、1ドル=160円換算)を超えた。
ゴールドマン・サックスはこれまで、暗号資産(仮想通貨)の価値を認めておらず、否定的な姿勢を崩していなかった。現在ではそのような姿勢を取るウォール街の金融機関はほとんどない。
最近でも、デジタル資産に対する懐疑的な姿勢で知られる同行のウェルスマネジメント部門の最高投資責任者(CIO)であるシャルミン・モサバール-ラフマニ(Sharmin Mossavar-Rahmani)氏は4月、顧客はこの資産クラスへのエクスポージャーに関心を示していないと述べてる。
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