香港で暗号資産ETF提供のデジタルバンクMox、手数料で差別化

  • スタンダード・チャータード傘下のデジタルバンクであるMoxは、顧客に暗号資産上場投資信託(ETF)の提供を開始した。
  • 将来的には暗号資産への直接投資の提供も計画している。
  • 香港で暗号資産ETFを提供する銀行の中で、低手数料により差別化を図っている。

スタンダード・チャータード(Standard Chartered)傘下のバーチャルバンクであるMoxは、香港での投資プラットフォーム立ち上げから程なくして、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の上場投資信託(ETF)を顧客に対して提供開始したと現地時間8月7日に発表した。

また、同行がサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP:South China Morning Post)紙に明かしたところによれば、認可を受けた取引所との提携を通じて、同行のプラットフォームで直接、暗号資産(仮想通貨)への投資を提供できるようにする計画だという。今日、香港で暗号資産取引を認可されているのはHashKeyとOSLの2つの取引所のみである。

同行CEOのバルバロス・ウイガン(Barbaros Uygun)氏は「Mox の投資プラットフォームに暗号資産ETFを加えることで、我々の顧客は安心して新興資産クラスにアクセスすることができ、規制の効いた信頼できる環境下、Moxアプリを通じて安全かつ簡潔な方法で、日進月歩の暗号資産エコシステムの中で新たな投資機会を探ることができる」と発表で述べている。

暗号資産ETFはすでに他の取引プラットフォームで投資家に提供されているが、Moxの手数料は、より安価となっている。香港上場のETFについては30香港ドル(約540円、1香港ドル=18円換算)以上の取引からで0.12%、米国上場のETFについては5ドル以上(約725円、1ドル145円換算)からで0.01%だ。Moxの投資責任者であるヘンリー・ラウ(Henry Lau)氏はSCMPの取材に対し、「この地域の銀行では最も安い」と語った。

米国上場のビットコインとイーサリアムのスポットETFは、今年導入されて以来、人気を博しており、ビットコインETFには1月以降、170億ドル(約2兆4650億円)以上の資金が流入している。ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)のデータによると、7月に始まったイーサリアムのスポットETFは、投資家がグレイスケール(Grayscale)のイーサリアム・トラストから資金を引き揚げた結果、正味3億6400万ドル(約527億円)の資金流出となった。

他の8つのファンドはすべて資金流入があり、ブラックロック(BlackRock)のアイシェアーズ(iShares)・イーサリアム・トラストは徐々に10億ドル(約1450億円)の大台へと近づいている。現在は8億7000万ドル(約1260億円)である。

一方、香港勢については需要が少ない。コイングラス(Coinglass)のデータによると、Bosera HashKey、ChinaAMC、Harvest Globalという3者の発行体については今月、資金が流入していない。

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