ビットコインや米国株は依然として落ち着いた動きを見せており、さらなる上昇が期待できるのか、それとも嵐の前の静けさなのかという疑問が投資家の間で浮上している。
マクロ投資家の中には、世界の金融基盤を支える米国債のボラティリティ上昇を初期の異変の兆候と捉える声もある。通常、このような金融市場のストレスは時間差を経て他の市場に波及する。
リスクシグナル・レポートの執筆者でウェルスマネージャーのKurt S. Altrichter氏は、「MOVE指数は安値を切り上げる一方で、VIXは高値を切り下げている。MOVE指数は先行指標であり、2022年、2023年、そしてイラン戦争開始時にもVIXより先に乱高下の兆候を示してきた。株式市場は通常、最後にそのシグナルを受け取る」と述べている。
MOVE指数は正式にはICE BofA米国債市場オプション・ボラティリティ推定値と呼ばれ、債券市場のVIXに相当する指標だ。これは2年、5年、10年、30年の国債オプションを用い、特に比重が大きい10年物米国債利回りの1カ月内の変動予想幅を示す。方向性は示さず、あくまで将来の変動幅を市場がどの程度織り込んでいるかを表す。
米国債は国際金融における重要な担保資産であり、そのため利回り変動はあらゆる借入コストに影響する。したがって、債券のボラティリティ上昇は、世界的な金融引き締め圧力やリスクプレミアムの増加、広範なリスク回避の動きを引き起こす可能性がある。
最近のMOVE指数は上昇傾向にあり、6月には46%の急騰を見せ、116付近で推移している。これは3月の高値に迫る水準で、2025年4月以来の高い数値だ。
このMOVE指数の上昇は企業の借入コストにも影響を及ぼしている。CboeはX(旧Twitter)で、「コーポレートボンドのボラティリティは投資適格(IG)・ハイイールド(HY)ともに、2週間前の6パーセンタイルと11パーセンタイルの低水準から、それぞれ79パーセンタイルと84パーセンタイルの高水準へ跳ね上がった」と伝えている。
CoinDeskの分析によると、ビットコインの日次リターンは60日または90日単位でMOVE指数と密接に連動していない。しかし過去のアナリストの指摘では、米国債のボラティリティ急騰はビットコインに悪影響を及ぼしやすいとされている。鍵は利回りの方向性ではなく、債券の価格変動の大きさだという。
したがって、トレーダーはMOVE指数が3月の高値を突破した場合、ビットコインとS&P500のボラティリティ急騰に警戒すべきだろう。現時点でのBTCの30日間のインプライドボラティリティ(BVIV)およびS&P500のVIXは、年初来の低水準近くで推移している。
現段階では、安定したETFへの資金流入、取引所への大型保有者の入金減少、規制面での追い風が強気の根拠となっている。引き続き警戒を怠らず注視が必要だ。
