トランプ関連のWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・ファイナンシャル、WLFI)は、総資産3.5兆ドル規模の資産管理・信託会社が同社のステーブルコイン「USD1」をトークン化ファンドの決済レールとして試験運用する旨の発表を受け、約10%上昇しました。一方、ビットコイン(BTC)とイーサ(ETH)は数週間ぶりの安値圏で推移しています。
CoinDeskの市場データによると、アジア時間の朝におけるWLFIの上昇率は、いずれも0.5%下落していたBTCとETHを大きく上回りました。
この上昇は、水曜日にマール・ア・ラーゴで開催されたWorld Liberty Financialフォーラムにて、登壇者がステーブルコインを米国の金融覇権の中核として売り込んだことにより発生しました。
共和党オハイオ州選出の上院議員バーニー・モレノ氏はイベントで、「金融システム全体は今後5年で過去50年とは全く異なる姿になる」と述べ、「金融サービス分野における大規模なイノベーションは必ず起きる。問題はそれが米国で実現するか、他国で起こるかだ」と指摘しました。
モレノ氏は、米国が次世代の金融イノベーションを主導し海外に明け渡さないためには、デジタル資産に関する明確なルール整備が不可欠であるとして、「今後90日以内に市場構造法案を成立させる必要がある」と強調しました。
同イベントにはコインベースCEOのブライアン・アームストロング氏も登壇し、市場構造法案の重要性について言及。進展が停滞している原因は個々の銀行ではなく、銀行業界団体にあると述べました。
World Liberty Financialの共同創業者ザック・フォークマン氏は、USD1を単なる小売向けステーブルコインではなく、実際の決済やクロスボーダー取引に対応できる「機関投資家グレードのドル」と位置づけました。
フォークマン氏は、「これが我々が目指した機関投資家グレードのドルであり、USD1はChainlinkによるリアルタイムの準備金証明(proof of reserves)機能を備えているため、ユーザーは裏付け資産のオンチェーン検証が可能だ」と説明しました。
また、フォークマン氏は2月初旬の香港で開催されたConsensusにて、World Libertyの外国為替(FX)プラットフォームを近く発表予定であることもほのめかしていました。
同氏はさらに、水曜日のフォーラムでUSD1をグローバル決済の橋渡しとしてまず米国とメキシコ間の回廊から導入し、将来的には最大40通貨に対応させる計画を明かし、「これが決済ブリッジとしてのUSD1だ」と述べました。
加えて、フォークマン氏はステーブルコインのユースケースをAIが主導する商取引と結びつけ、「AIエージェントが自律的に取引する時代に突入した。AIエージェントは銀行口座を持てず、小切手に署名もできないが、ステーブルコインは保有できる」と語りました。
最後にフォークマン氏は、「我々が構築しているのは完全な金融システムだ」と付け加えました。