ホワイトハウス、一部ステーブルコイン報酬を容認し銀行に合意促す

ステーブルコインの利回り報酬を巡る協議に詳しい関係者によると、ホワイトハウスは市場構造法案の前進を目指し、限定的な報酬を認める方向で銀行側に歩み寄りを促しているという。

交渉に精通した関係者2名の証言によれば、ホワイトハウスは限定的なステーブルコイン報酬(リワード)を支持しており、銀行側の同意が得られれば、その内容を暗号資産市場構造法案の次期ドラフトに盛り込む方針だという。

木曜日に開かれた作業会合は、銀行と暗号資産業界の双方の代表がステーブルコイン報酬の共通基盤を模索する目的で開催された。関係者によれば、ホワイトハウスは「一定の報酬プログラムは次期法案ドラフトに残す」と明言し、出席したウォール街の銀行代表は条文作成に積極的に関わった。ホワイトハウスは更新版ドラフトを取りまとめ、関係者に回覧する予定としている。

今回議論されているのは、米上院の「デジタル資産市場明確化法(Digital Asset Market Clarity Act)」の一部であり、ワシントンにおける暗号資産業界の最重要政策課題のひとつとなっている。このうちステーブルコインに関する規定(ドラフト第404条)は、市場構造に直接関連するわけではなく、昨年成立した「米国ステーブルコインの指針および国家イノベーション確立法(GENIUS Act)」の実質的な改定案であるとされる。

銀行側と暗号資産業界の間でホワイトハウス主催の会合は今回が3回目である。前回銀行側はステーブルコイン報酬の容認に強く反対したため、今回ホワイトハウス交渉団は「特定の活動や取引に対する一部報酬は認めるが、預金口座に近い性質のステーブルコイン保有に対する報酬は認めない」という立場で臨んだ。関係者によれば、ホワイトハウスの暗号資産顧問パトリック・ウィット氏がこの論点の早期解決を図り、法案を前進させる意向だという。

銀行側の懸念点は、ステーブルコイン報酬が従来の利息付き預金に依存する収益モデルを損なう可能性にある。

会合参加者の一部は非公式に、今回のやり取りで期待されていた妥協に「かなり近づいた」との感触を示した。ホワイトハウスはコメント要請に対して直ちには応じなかった。

「本日のホワイトハウスでの会合は、報酬に関する未解決の論点を整理し、市場構造立法を軌道に乗せるうえで建設的な前進だった」と、参加したブロックチェーン協会CEOサマー・マーシンガー氏は声明で述べている。

銀行側が限定的な報酬に同意しない場合、現状のままGENIUS法が適用され、暗号資産プラットフォームはより自由度の高い報酬プログラムを運用できる。一方、銀行側が合意すれば、懐疑的な上院議員の支持回復に繋がる可能性が高い。

ただし、明確化法案には複数の未解決の課題が残っており、交渉による条文化が必要だ。暗号資産業界は特に分散型金融(DeFi)分野における不正防止強化を求める民主党の要求にも引き続き関与している。

また、民主党交渉団はホワイトハウスと対立する可能性のある他の論点も主張している。具体的には政府高官の暗号資産業界への直接関与禁止(主にトランプ大統領を念頭にしたもの)や、商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)の委員ポストを民主党側の空席も含めて完全に指名するようホワイトハウスに要求している。

いずれの民主党側の主要論点も未解決のままである。仮に上院銀行委員会が上院農業委員会に続いて法案を前進させる公聴会を行ったとしても、両党が妥協できなければ再び党派対立の様相を呈する可能性がある。そうなっても法案の次段階への進展を妨げるものではないが、上院本会議で可決するためには多くの民主党支持が不可欠だ。