暗号資産レンダーのBlockfillsは、直近の市場環境と財務状況を背景に顧客の入出金を停止していた。同社の共同創業者兼CEOであるニコラス・ハマー氏が経営トップの役職を退いたことが、事情に詳しい関係者から明らかになった。
現在、同社の公式ウェブサイトではジョセフ・ペリー氏が暫定CEOとして記載されており、広報担当者はハマー氏が2025年7月までCEOを務めていたことを確認している。
今回の経営交代は、同社が約7,500万ドルの損失を計上し、今月上旬に顧客の預け入れおよび出金を停止した状況下で生じた。関係者の証言によると、Blockfillsは2026年2月11日の入出金停止前に一部顧客に対し暗号資産の引き出しを促していたという。なお、案件が非公開であるため匿名を条件に語っている。記事掲載時点でも顧客の入金は停止されたままである。
CoinDeskは先週、シカゴを拠点とする同社が損失を受け購入者を探していると報じているが、ハマー氏は取材に応じていない。また2月25日(UTC)午後5時58分時点で同氏のLinkedInプロフィールはBlockfillsのCEOのままとなっている。
Blockfillsは2月11日付のプレスリリースにおいて、投資家や顧客と協力し、早期解決とプラットフォームの流動性回復を目指していると説明した。当時の発表では、「現物およびデリバティブ取引でポジションを開閉する目的ならびに一部の他の状況に限り、顧客はBlockfills上で取引を継続可能」と記されている。
今回の出金停止は、Celsius、BlockFi、Genesisらが市場崩壊時に顧客口座を凍結した2022年の“暗号資産冬の時代”を思い起こさせる。
2026年初頭の市場は回復の兆しを見せず、主要トークンも直近の高値を大きく下回る水準で慎重なムードが続いている。ビットコイン(BTC)は2025年後半の史上最高値から急落し7万ドルを割り込み、イーサ(ETH)も市場全体の弱含みの中、2,000ドル前後で推移している。
同社によれば、2025年の取引高は600億ドルを超え、前年から28%増加した。Blockfillsは機関投資家向けの暗号資産レンディングおよびボローイング・デスクとして活発に機能し、ヘッジファンド、資産運用会社、マイニング企業など約2,000の機関顧客にサービスを提供している。
Blockfillsの投資家にはSusquehanna Private Equity Investments、CME Ventures、Simplex Ventures、C6E、Nexoなどが含まれており、同社は2022年1月のシリーズAラウンドで3,700万ドルを調達している。