SECとCFTC、暗号資産監督で連携強化に合意し長年の対立に終止符

米国の証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は、暗号資産の監督に関して長年続いてきた対立に終止符を打ち、共同監督の枠組み構築に向けた合意を発表した。

両機関は業務が重複する分野の連携を目指し、覚書を締結している。今回発表された書面による合意では、暗号資産の監督体制構築が主要な目的の一つとして明記された。

監督の統合、商品承認、政策解釈の一本化に加え、執行措置の調整や二重登録回避の推進といった事項が含まれ、これらは規制対象の暗号資産業界に広範な影響を及ぼすことになる。合意では併せて、「暗号資産およびその他新興技術に適合した規制枠組みの提供」も重要な目標として掲げられている。

SECのポール・アトキンス委員長は火曜日の発言で事前に本覚書に言及。規制対象企業が政策課題や商品申請に関し両機関と協議できるよう、連絡先情報の共有を説明していた。

アトキンス氏は水曜日の声明で、「何十年にもわたる規制当局間の縄張り争い、重複登録、またSECとCFTCの異なる規制体系がイノベーションを阻害し、市場参加者の国外流出を招いてきた」と指摘。「規制上の定義を調整し監督を協調、さらに安全で円滑なデータ共有を可能にすることで、市場参加者が求める明確性を実現する」と述べている。

新合意によれば、CFTCとSECの職員は定期的に会合を開き共通の関心事項に関する情報共有を行う。執行措置も含まれ、これまで独立してきたため暗号資産企業が両機関から重複して訴えられる事例もあったが、今後は「想定訴因や救済措置、提訴順序、戦略、公的コミュニケーションについて協議」していくことが確認された。

前政権下では暗号資産の分類を巡り、両機関の立場が時折対立していた。特に、証券と商品どちらに該当するかの判断をめぐって摩擦が見られた。

現在は、暗号資産に対して友好的な規則整備の姿勢で両機関が一致しており、実質的な反対勢力は存在しない。CFTCは5人委員会のうち唯一の委員長が共和党系で他は空席、SECもアトキンス委員長を含む3人の共和党系委員が主導し、民主党系の席は空席となっている。

両委員長はいずれもドナルド・トランプ大統領によって任命された。トランプ氏は昨年、暗号資産への強い関心を持って政権に復帰しており、その背景には自身の拡大する事業上の利害もあるとされる。アトキンス氏とCFTC委員長マイク・セリグは就任前に暗号資産関連顧客の業務に従事していた。