暗号資産取引所Binanceは、中東地域の情勢悪化を受けて、アラブ首長国連邦(UAE)に在籍する従業員に対し、香港、東京、クアラルンプール、バンコクへの一時移転を選択肢として提供したと金曜日にCoinDeskに明かした。
同社の広報担当者は「最近の地域的緊張を考慮し、予防的かつ従業員第一の措置として一時的な移転の選択肢を用意しました。不確実な状況の中で柔軟かつ支援的な対応を重視したものです」と説明。さらに「当社はリモートファーストの組織であり、そのためこのような柔軟な対応を業務に支障なく支える体制が整っています」と述べた。
同担当者はまた、UAEでの業務は変わらず継続中で、多くの従業員が引き続き現地に留まることを選んでいる現状を示した。
「UAEでの業務は通常通り続いており、多数のチームメンバーがUAEに留まっています。当社にとって重要な拠点であるUAEおよび中東地域に対し引き続き強いコミットメントを持っています」と強調。加えて「グローバル企業としてシームレスに業務を遂行し、ユーザーへのサービス提供を中断なく行っています」と付け加えた。
今回の移転提案は停戦合意後に実施されており、それまで約6週間の紛争激化によりUAEの事業活動に混乱が生じていた。UAE国防省によると、2月下旬の戦闘開始以降、数百発のミサイルとドローンが迎撃され、4月8日にも追加の迎撃が確認されている。
この中東紛争は、UAE全土での主要な暗号資産関連イベントやビジネス、スポーツイベントにも影響を及ぼしている。TOKEN2049 Dubaiは2027年まで延期され、TON Gatewayは安全面と渡航の懸念から中止となった。さらにMiddle East Energy DubaiやDubai International Boat Showなどの大規模イベントも延期。また暗号資産のスポンサー露出に影響を与えるバーレーンおよびサウジアラビアのF1レースも中止の見通しとなっている。
昨年12月には、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)がBinanceのグローバル・プラットフォームが同機関の規制枠組みの下で運営されると発表し、同社の体制強化に向けた重要な一歩となった。
報道によれば、BinanceはUAEに約1,000人の従業員を擁し、これは世界全体の従業員数の約20%に相当する。同社はグローバルな業務支援をアブダビから行っていると示唆しつつも、単一の明確なグローバル本社は定義していない。
