Circle、クロスボーダー決済企業Tazapayを約4億ドルで買収合意

ステーブルコイン発行企業のCircleは、シンガポール拠点のクロスボーダー決済企業Tazapayを約4億ドル相当の株式で買収することで合意した。この取引により、Circleはステーブルコインと従来の地域銀行システムをつなぐ重要な規制対応の「ラストマイル」インフラを獲得する可能性がある。

Circleは米ドル連動ステーブルコインUSDCの発行元であり、規制当局向け開示書類によると、買収完了前の20営業日の出来高加重平均終値を基に発行株数を算出し、Tazapayの負債や取引費用、現金残高を考慮して価格を調整するとしている。

Tazapayは企業間決済インフラ企業で、支払い企業や金融機関を60以上の銀行やフィンテックパートナーとつなぎ、100以上の市場で地域決済ネットワークを通じて入出金を可能にしていると同社ウェブサイトに記載されている。Circleによれば年間250億ドル以上の決済処理量があり、約60%の取引でステーブルコインが利用されている。

Tazapayは今年3月に、30か国以上で1,000社を超える企業やフィンテックにサービスを提供し、3年連続で収益を倍増させたと発表した。同時に、Circle Venturesが主導するシリーズB資金調達ラウンドの拡張も実施している。Tazapayはシンガポール、カナダ、オーストラリア、米国でライセンスや登録を保有し、現在EU、香港、アラブ首長国連邦での申請も進めている。

ステーブルコインはグローバルにブロックチェーン間で移動できるが、現地通貨への換金には規制対応の仲介会社や銀行口座、各市場ごとの支払い手段が必要となる。TazapayはCircleにとって、地域ごとにネットワークを構築することなくラストマイルのインフラの大部分を提供する役割を果たす。

Circleは既にTazapayのビジネスに精通しており、買収発表ではTazapayが2025年からCircle Payments Networkの設計支援を行っていると述べられている。

今回の買収はCircleによる一連の買収の一環である。2025年にはトークン化されたマネーマーケットファンドUSYCの開発企業Hashnoteを約1億ドルで買収し、2022年にはWeb3インフラ企業Cybavoを取得している。今回のTazapay買収は2018年の暗号資産取引所Poloniex買収以来の最大規模となる。

またCircleは、2023年に米国のCoinbaseが保有していたUSDCの知的財産権を管理するCentre Consortiumの残り半分を2億999万ドルの株式で取得している。さらに決済ソフトウェア企業Elements、ブロックチェーン合意形成技術Malachite、7月にはIBMから約1,000件のブロックチェーン関連特許を取得している。

Tazapay買収は2027年に完了予定で、シンガポール金融庁を含む規制当局の承認が必要となる。取引完了までの間は、Tazapayのサービス内容、料金体系、サポート体制に変更はない見込みだ。

CircleのCRCL株は本日の取引で2.7%下落し99.3ドルとなったが、年初来では25%以上の上昇を示している。なお、CircleおよびTazapayは公表時点でCoinDeskのコメント要請に回答していない。

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