DoorDash、ステーブルコイン決済導入へ──日常支払いインフラへの活用加速

フードデリバリー大手DoorDash(ドアダッシュ)は、決済インフラ企業Tempo(テンポ)と連携し、ステーブルコインを活用した支払い機能の導入を進めていることが明らかになった。今回の取り組みは、暗号資産(仮想通貨)を日常的な資金移動に活用する動きを加速させるものとして注目される。

テンポはこの計画を発表する中で、Stripe(ストライプ)、Coastal Bank(コースタル・バンク)、さらにラテンアメリカの金融プラットフォームARQも同ネットワーク上でステーブルコイン決済を展開することを明らかにした。これにより、複数の大手企業がステーブルコインを基盤とした新たな決済インフラへと移行しつつあることが示された。

ドアダッシュは現在、40カ国以上で展開する大規模な三者市場モデルを運営しており、消費者、加盟店、そして配達員(Dasher)をつなぐ役割を担っている。このようなグローバルな運営体制では、複数の決済ネットワークをまたぐ必要があり、為替変動や決済遅延といった課題が生じやすい。ドアダッシュは、ステーブルコインがこれらの課題を解決する手段になり得ると見ている。

共同創業者のAndy Fang(アンディ・ファン)氏は、「ステーブルコインは米国だけでなく世界全体の金融インフラを変革する可能性がある。我々はその変化に積極的に関与したい」と述べ、今回の導入を戦略的な一歩と位置づけた。

同社はまず、迅速かつ低コストな決済が特に効果を発揮する分野として、加盟店への支払いからステーブルコイン導入を開始する方針だ。将来的には、配達員や契約ワーカーへの報酬支払いにも適用される可能性がある。

ステーブルコインはこれまで暗号資産取引における基軸通貨として利用されてきたが、近年では実際の経済活動における「日常の通貨」としての役割が拡大している。複数の企業による調査では、3000億ドル(約47兆円、1ドル=155円換算)を超えるステーブルコイン供給の多くが、小売決済や企業間資金移動、給与支払いなどに活用され始めていることが示されている。

テンポは、こうした需要に対応するために設計されたブロックチェーンであり、大規模決済に適した機能を備えている。サブ秒単位の取引確定、ドル建てで予測可能な手数料、決済専用のブロックスペース確保、プライバシー保護機能などが特徴とされる。また、複数の支払いをまとめて処理する仕組みや、手数料を第三者が負担できる機能も提供している。

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