サステナブル・ファイナンスとブロックチェーンがもたらす新たな可能性|EthicHub インタビュー
このたび、本メディアはブロックチェーン技術と社会的インパクトを融合させた革新的なプロジェクト「EthicHub」の創設者にインタビューする貴重な機会を得ました。今回のインタビューは英語で行われ、本メディアが日本語訳を担当いたしました。 2025年からEthicHubはアジア地域での活動を本格的に展開しており、今後もその取り組みや成果を継続的に取材・発信してまいります。 金融包摂と持続可能な発展を理念とするこの国際的プロジェクトに、ぜひ多くの日本の読者の皆さまにもご注目いただければ幸いです。 Q1. ご自身について、また EthicHub を創設または参加された理由をお聞かせください。 私は Gabriela Chang と申します。EthicHub の共同創業者であり、CSO(最高戦略責任者)を務めています。以前はメキシコ・チアパス州の経済開発庁に勤務し、同時に有機コーヒー生産者でもありました。 私たちの CEO、Jori Armbruster は、800 名以上の従業員を擁するスペインの流通企業を率いた経験があり、コーヒー産業にも深く関わっていました。私たちは現場で、小規模農家が世界のコーヒーの約 8 割を生産しているにもかかわらず、伝統的な金融システムから排除され、貧困の連鎖から抜け出せない現実を目の当たりにしました。 CTO の Diego Pardilla は、AI・複雑系・DNA コンピューティングの修士号を持ち、技術面でプロジェクトを支えています。EthicHub は、「生まれた国や地域によって、同じリスクを負っていても金利が何倍も異なる」という不公平な状況を是正するために誕生しました。 私たちにとって EthicHub は「生きがい(Ikigai)」であり、革新、社会的使命、そして奉仕の精神を結びつけ、実社会に持続的なインパクトをもたらすプロジェクトです。 Q2. EthicHub の概要と、その中核的な使命を教えてください。 EthicHub は、スマートコントラクトを活用した「クラウドレンディング」および「クラウドコラテラル(共同担保)」を組み合わせた革新的なブレンデッド・ファイナンス・プラットフォームです。この仕組みにより、小規模農家の協同組合が低コストで資金調達し、国際市場へアクセスできるようになります。私たちの使命は、新興国の小規模農家が自らの生産性を通じて生活水準を向上させ、サプライチェーンにおいて「最も弱い立場」から脱却することです。 Q3. EthicHub はどのようにブロックチェーンを活用して金融包摂を実現しているのですか。 EthicHub のトークノミクスはブロックチェーン技術を前提として設計されています。本システムでは、農業協同組合、投資家、監査人、保証人など、すべての関係者がユーティリティトークン「Ethix」を用いて担保を提供し、貸付を支えます。 スマートコントラクトにより、すべての取引は自動的に実行・記録され、透明性・追跡性・改ざん防止が保証されます。保証人はリスクを引き受ける見返りとして Ethix トークンを報酬として受け取り、その他の参加者もシステム全体の健全な運用から利益を得ます。この分散的な仕組みにより、中央集権的な金融仲介を必要とせず、現在デフォルト率は 3%未満に抑えられています。 Q4. EthicHub の「再生型金融(ReFi)」モデルは、従来の DeFi とどのように異なりますか。 EthicHub は、投機ではなく実体経済の生産活動を基盤とする「Real World DeFi(現実経済型 DeFi)」です。このモデルは、ブロックチェーンの革新を実世界のポジティブな社会的インパクトへと直接結びつけることを目的としています。 従来の DeFi が金融リターンの最大化(貸付・ステーキング・流動性供給など)に焦点を当てるのに対し、EthicHub の ReFi は「再生的インパクト(Regenerative Impact)」に重点を置き、分散型金融を活用して実際の農業生産や社会的包摂を促進します。私たちのゴールは単なる利益ではなく、貧困削減・環境再生・持続可能な農業支援の三立を実現することです。 Q5. エコシステム内での ETHIX トークンの役割を教えてください。 Ethix トークンは、デフォルト(返済不能)リスクを軽減する「流動的担保(Liquid Collateral)」として機能します。農業協同組合や監査人も担保の一部を拠出し、共にリスクを負う「Skin in the Game」の原則に基づいています。一方、リスクを引き受けるステーカーは、負担したリスクに応じて報酬を得る仕組みです。この構造によって、すべての関係者のインセンティブが整合し、持続的なエコシステムが維持されています。 Q6. 農家と投資家の間の信頼と透明性はどのように確保されていますか。 EthicHub のすべての貸付・返済・ステーキング取引は、スマートコントラクトによってブロックチェーン上で実行されます。これにより、すべての取引履歴は公開・追跡可能であり、改ざんが不可能です。また、従来の「資産担保」に代わり、「クラウドコラテラル(Crowd Collateral)」という共同保証の仕組みを採用しています。これはコミュニティのメンバーが ETHIX トークンを保証プールにステーキングし、万が一の返済不能に備えるもので、信頼性と透明性を高める根幹となっています。 Q7. Bybit および Blockchain for Good Alliance(BGA)との連携が、どのように小規模農家の信用アクセスを改善しましたか。 BGA の支援のもと、Bybit は 100 万ドルを EthicHub の融資プラットフォームに投資しました。この資金により、メキシコ、ブラジル、ホンジュラスの 3 カ国で小規模農家が生産した 100 トン以上の高品質コーヒーの収穫・加工・輸出が実現しました。ヨーロッパ市場への輸出が進み、すべてのステークホルダーに利益が還元されています。Bybit の投資は触媒的な役割を果たし、融資量と連動して Ethix トークンの需要を生み出しました。トークン価格は初期の $0.14 から $0.30 へと上昇し、エコシステム全体の健全な成長を支えています。 Q8. EthicHub は社会的および環境的インパクトをどのように評価していますか。 […]










