Rippleは、60市場において企業向けデジタル資産決済を単一プロバイダーで提供可能とするため、マネージド・カストディ、仮想口座による入金回収、法定通貨からステーブルコインへの決済機能を追加した。
同社はもはや「送金」に留まらず、決済の配管全体を担う存在となろうとしている。
水曜日、RippleはCoinDeskに対しRipple Paymentsの大幅な拡張を示すプレスリリースを共有し、本プラットフォームを法定通貨およびステーブルコインの資金移動におけるフルスタックのインフラ層に進化させる方針を明らかにした。
企業はこれまでカストディ(資産保管)、入金回収(collections)、換金(conversion)、決済(settlement)を別々のベンダーで賄ってきたが、今後は単一の提供者を通じて法定通貨とステーブルコインの双方で「回収・保有・交換・支払い(payout)」を一元的に行えるようになる。
今回の新機能は、直近の2件の買収を通じて実現されている。カストディとトレジャリー自動化を手掛けるPalisadeは、企業が大規模にウォレットをプロビジョニングし、資金を運用口座へスイープできるマネージド・カストディ層を担っている。
また、仮想口座および回収プラットフォームのRailは、企業が名義付き仮想口座を通じて法定通貨およびステーブルコインによる入金(pay-in)を受け付け、自動的な換算と決済を可能にしている。
これにより、例えばクロスボーダー送金を扱うフィンテック企業は、カストディ、外為、ステーブルコイン流動性、現地ペイアウトレールをそれぞれ異なる提供者に依存する必要がなくなり、Rippleがこれらを単一プラットフォームかつ単一インテグレーションで統合する。
Rippleの社長モニカ・ロング氏は声明の中で、「グローバル金融システムの進化には、フィンテックや金融機関がデジタル資産を伝統的金融と同等の厳格なインフラで扱うことが求められる。Rippleは規制下金融に対応し、グローバル規模で稼働可能なブロックチェーン基盤の企業向けソリューションの青写真を構築してきた」と述べている。
さらにRippleは、本プラットフォームの累計処理総額が1,000億ドルを超えたことも発表した。この節目は、金融システム全体でステーブルコインの採用が加速する流れの中で迎えられた。昨年の世界年間取引量は33兆ドルに達し、ステーブルコインはオンチェーン取引量全体の約30%を占める状況となっている。
今回の拡張はRippleにとっても注目すべきタイミングとなっている。CoinDeskの市場データによれば、XRPは米国とイラン間の緊張を背景とした市場全体の売り圧力の中、過去1週間で約5%下落している。
しかしながら決済事業は、トークン価格の動向とは概ね独立しており、機関投資家の採用トレンドを鑑みると現物市場の動きに関係なくRippleの企業向け戦略は勢いを増していることがうかがえる。