エリック・トランプ氏を支援するビットコインマイナーAmerican Bitcoin(ABTC)の社長で暫定CFOを務めるMatt Prusak氏が同社を退任し、AI・電力インフラ開発企業Giga Energyに参画することが明らかになった。この動きは、ビットコインマイニングからAIを支える電力インフラへの上流シフトに伴う上級幹部の異動が続いていることを示している。
Prusak氏は8月4日付でAmerican Bitcoinを退任し、Giga Energyにて最高業務責任者(CBO)兼暫定最高財務責任者(CFO)として就任予定であると述べた。
メールでのコメントによると、「数年にわたりビットコイン事業を築き上げてきた後、マイニングとAI計算リソース双方を制約している電力インフラの領域へと上流にシフトしている」と語っている。
今回の退任は、ビットコインマイナーがAIと電力インフラを新たな軸足とする大きな潮流を反映している。マイニング事業が徐々にコモディティ化し利益率が圧迫される中で、多くのマイナーがAIインフラに方向転換し、マイニングで培った電力、土地、データセンターのノウハウをAI計算需要の拡大に再活用している。
この動きは、ハイパースケーラーによる電力と設備容量の確保競争が激化する現状においていっそう加速している。マイナー各社はビットコイン生産以外の収益多様化と、評価の高いAIインフラ事業の獲得を目指している。
Prusak氏はNasdaq上場企業のAmerican Bitcoinにて、Hut 8(HUT)が支援し、エリック・トランプ氏が共同創業した同社の社長を務め、市場における財務責任者も兼任していた。
彼は同社のビットコイン蓄積方針の代表的な存在として、ハッシュレート拡大と1株あたりBTC保有量増加に注力していることを公に語ってきた。
新たな勤務先であるテキサス州ヒューストン拠点のGiga Energyは、電力設備とAIデータセンターインフラの開発・製造を手掛けている。同社はこれまでに6.5ギガワット(GW)以上の電力インフラを提供し、500メガワット(MW)超のAI対応データセンター容量を開発中と説明している。
今回の人事異動は、大規模なAIコンピューティングとビットコインマイニングを支える電力インフラに業界の重役や資本が集中しつつある傾向を示す。信頼性の高い電力供給は計算リソース拡大の最大の制約要因の一つであり、インフラ企業はデジタル資産分野での豊富な経験を持つ人材を積極的に迎え入れている。
