技術

ブロックチェーンや暗号資産業界における技術動向をまとめるカテゴリです。ネットワークアップグレード、セキュリティ、スマートコントラクト、レイヤー1、レイヤー2、インフラ開発など、業界を支える重要な技術ニュースを掲載します。

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そごう・西武、NFTデータで顧客行動分析──BIPROGYと実証実験

そごう・西武と国内IT大手のBIPROGY(ビプロジー)は、Web3技術を活用したNFTマーケティングの実証実験を2024年11月から開始した。この取り組みは、パブリックブロックチェーン上のデータを活用し、NFT保有者の行動分析から新たなマーケティング手法の確立を目指すものだ。   実証実験は、そごう・西武が運営するNFTマーケットプレイス「NFT PRODUCED by SEIBU SOGO」と西武渋谷店で開催されたポップアップストア「HELLO SHIBUYA 2024」を対象に実施。BIPROGYがブロックチェーン上から抽出したデータと、マーケットプレイスでの販売データ、店舗でのアンケート結果を統合的に分析する。 本実証実験で想定される分析手法として、NFTマーケットプレイスにおける購入者の行動パターンやNFT保有状況の分析が示されている。 具体的には、コアファン層の購入傾向や転売目的での購入有無、さらに保有するNFTのカテゴリー分布など、多角的な視点からの分析手法が提案されている。これらの手法を用いることで、従来の顧客層とは異なる新しい消費者像の把握を目指す。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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詐欺で6000万円超の暗号資産を失った元ジャーナリスト、それでも暗号資産業界で働く理由

2023年、スペイン東海岸の穏やかな夜、オリビエ・アクーニャ(Olivier Acuña)は、これまで何百回となく行ってきたように、自分の全財産を別の暗号資産(仮想通貨)ウォレットに送金するためにコンピュータの前に座っていた。 「暗号資産の送金は常に不安を引き起こす」とアクーニャはCoinDeskに語った。その夜、この言葉は、痛いほど真実味を帯びた。 アクーニャが送金ボタンを押したとたん、すべては終わった。40万ドル(約6280万円、1ドル=157円換算)相当の暗号資産、つまり彼の全財産が、匿名のフィッシング詐欺師によって盗まれ、消えてしまったのだ。アクーニャの耳に突き刺すような音が響き、体は火照り、彼は拳を握りしめた。 アクーニャの損失は、誰も暗号資産ハッキングに無縁ではないことを示している。彼は暗号資産業界7年のベテランで、ブロックチェーンに潜む危険性から、警戒の必要性をしっかりと理解している人物だ。 アクーニャはかつて、数十年にわたってジャーナリストとして仕事してきた。メキシコの暴力的な麻薬カルテルや刑務所での拷問に直面し、警戒を怠らないことは必須だった。 それなのに、彼は暗号資産詐欺の多くの犠牲者の一人となった。2023年、米国当局は6万9000件、総額56億ドル以上の暗号資産窃盗の報告を受けた。 盗まれた暗号資産を取り戻すことは難しい。通常の銀行口座が被害にあった場合は、ほぼ確実に保険で損失がカバーされる。しかし、暗号資産にはそのような高度に規制されたシステムはない。暗号資産は周知のとおり、意図的に分散化されている。 そのように仲介者を排除することは、暗号資産利用者が切望する組織からの自由を与える一方で、諸刃の剣にもなっている。ゲートキーパーを取り払うことは、人々をワンクリックで破滅に追いやる可能性もあるのだ。 ハッキング自体は、特別な手口ではなかった。アクーニャはLedgerのハードウェアデバイスで資金にアクセスできなかったため、ソーシャルメディアを通じてカスタマーサポートに連絡した。するとサポートになりすました詐欺師がやって来て、30分後には、アクーニャは詐欺師の罠にはまっていた。 「フィッシング詐欺は今でも信じられないほど多発している」と、Web3セキュリティを手がけるImmunefiのトリアージ責任者エイドリアン・ヘットマン(Adrian Hetman)はCoinDeskに語り、次のように続けた。 「犯罪者はフィッシング詐欺を、大規模にユーザーの資金を盗み、ソーシャル・エンジニアリングを使ってプロジェクトのインフラをより高度に攻撃する効果的な方法と見なしている。暗号資産の世界ではフィッシング詐欺の被害が拡大している」 アクーニャは再び、無力さを感じていた。メキシコでの冤罪による投獄という恐ろしい試練の後、彼の救いであったブロックチェーンに今回は翻弄されることになった。 潜入捜査 アクーニャは1990年代にジャーナリストとして活動を始めたが、そのキャリアによって彼は政府による検閲、冤罪による投獄、殺害予告に直面した。 組織犯罪、選挙、汚職に関するアクーニャの仕事は、すぐにUPI通信社とメキシコの新聞「レフォルマ(Reforma)」によって注目され、世界で最も悪名高く暴力的な麻薬カルテルに深く潜入するようになった。 アクーニャはロスモチスからマサトランまで西海岸を走るメキシコのシナロア州を拠点としていた。この肥沃な山岳地帯は組織犯罪の温床となり、ホアキン・“エル・チャポ”・グスマンの悪名高いシナロア・カルテルを生んだ。 シナロア・カルテルに関する報道からアクーニャはやがて、フリージャーナリストとして独立。その記事はAP通信やロイター通信にも取り上げられるようになった。メキシコでの彼のキャリアが激動の頂点に達したのは、この頃であった。 アクーニャの汚職に関するある記事が当局の目にとまり、彼らはもう我慢できなくなった。検事総長の武器を隠しているとして、アクーニャを告発。アクーニャは16時間拷問を受けたという。 「ある日、私は想像を絶するほど暴力的に車に放り込まれた。拷問で有名な警察司令官を送り込み、私を拉致した。16時間もの間、水責めにされ、縛られ、血行を断たれ、後屈の姿勢に無理矢理体を反らされた。『隣の部屋にはお前の家族がいる。一人ずつここに連れてきて、銃のありかを言うまで、お前の目の前で殺す』と言われた」 アクーニャはその後、(アクーニャは虚偽だと言っている)嫌疑により2年間投獄されたが、告発は後に取り下げられた。彼はメキシコ当局を相手に、人権訴訟を起こした。 暗号資産は救いか、それとも… 2017年、アクーニャは苦難の過去から再出発を決意。素晴らしく奇妙な暗号資産の世界に足を踏み入れた。決済会社エレクトロニアム(Electroneum)の広報、ブロックスライブ(BloxLive)のテレビプロデューサー、そして最近ではDePIN(分散型物理インフラネットワーク)企業IOTEXの広報を務めた。 彼の耐えてきた厳しい過去は、暗号資産業界への準備になった。この業界は伝統的金融セクターに受け入れられつつあるにもかかわらず、黎明期のワイルドウエスト(西部開拓時代)のような環境と格闘し続けているからだ。 アクーニャの経歴は、暗号資産業界で働く人々にとって一般的ではないかもしれないが、暗号資産業界の魅力は投機的な金銭的利益だけではないことを思い出させてくれる。政府、銀行、エリートの権力を抑制する業界でもあり、アクーニャにとってはそれが魅力的だった。 「暗号資産とブロックチェーンについて書き始めた最初の日、私はこう思った。『これは、表現の自由の欠如にまつわるあらゆる問題の解決策だ。これは、政府の腐敗に対する解決策だ。これこそ遂に、私が信念を持ち、情熱を持ち、実行できるものだ』と」 全財産を失ったにもかかわらず、アクーニャは暗号資産業界で働き続けている。しかし、暗号資産がメインストリームになるにはまだまだ時間がかかると、彼は警告する。 「マスアダプションを望むなら、シームレスである必要がある」とアクーニャは語った。今のところ、ユーザー体験は「不安を誘うものだ。暗号資産を送るたびに、『間違えたのでははないか?お金を失うのではないか?』と考える。毎回毎回だ」。 「すべての暗号資産が同じアプリの中にあり、どのネットワークであろうと関係なく、好きなものに変換して送ることができるようなアプリが登場しない限り、普及するとは思えない」 この点が業界にとって、依然として大きなハードルとなっている。技術に精通したミレニアル世代は、イーサリアムで資産を購入し、ソラナにブリッジし、Pump.funでミームコインを購入してから取引所に送る方法を知っているが、大多数の一般人は知らない。 「暗号資産から手を引きたくないし、暗号資産にはまだワクワクしている」とアクーニャは言う。 「お金の移動は常にトラウマになるのだろうか? そうだろう。それでも私は、このセクターが大好きだ」 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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2024年発行の暗号資産の半数以上に悪意:ブロックエイド

ブロックエイドによると、2024年に発行された新規暗号資産の約60%が悪意のあるものだった。 しかし、暗号資産関連の詐欺や不正による損失額は、昨年の56億ドルから14億ドルに減少した。 ブロックチェーンセキュリティ企業ブロックエイド(Blockaid)は、今年発行された暗号資産(仮想通貨)の59%が「悪意のある性質」を持っていたと指摘したた。 市場に出回る不正なトークンの数は、今回のサイクルを通じて一貫していたミームコインのナラティブ(物語)の台頭と関連している。 現在、時価総額10億ドル(約1550億円、1ドル155円換算)以上のミームコインが10個存在する。この相対的な成功がイーサリアム(Ethereum)やベース(Base)、ソラナ(Solana)などのブロックチェーンでの模倣トークンの発行につながっている。 ブロックエイドは、ラグプル(出口詐欺)が依然として主要な脅威であり、悪意のあるトークンの27%を占めていると指摘した。 しかし、注目すべきは暗号資産関連のハッキングや詐欺による損失額が大幅に減少したことだ。FBIは、2023年の暗号資産詐欺による損失が56億ドル(約8680億円)だったと発表したが、ブロックエイドの報告書では今年の総額は14億ドルとなっている。 ブロックエイドのデータは、2024年に24億1000万件のトランザクション(取引)、7億8000万件の分散型アプリケーション(Dapps)接続、2億2000万枚のトークンを処理したオンチェーン検出・反応(ODR)プラットフォームから得られたものだ。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」自民党デジタル社会推進本部・金融調査会

自民党政調審議会で19日、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」が正式に承認されたと、自民党デジタル社会推進本部 web3主査の塩崎彰久議員がXに投稿した。 同議員は18日、「web3ワーキンググループ」の始動とともに、緊急提言案を「近日中に公表予定」と投稿していた。 緊急提言は冒頭で、これまでの自民党web3プロジェクトチーム(web3PT)の取り組みを振り返り、合同会社型DAO設立・運営のための環境整備、LPS(投資事業有限責任組合)によるトークン投資の実現、ステーブルコイン仲介業の創設などを成果としてあげた。そして、「これら一連の改革を主導してきたのは、まぎれもなく自由民主党である」と記している。 緊急提言では触れられていないが、自社発行、他社発行と2年連続で実現した期末時価評価課税の見直しも、web3PTの大きな成果と言えるだろう。 「国民経済に資する資産」 さらに、今回の緊急提言で印象的な部分は、成果の振り返りに続いた以下の文章だ。 「2024年10月末時点において、暗号資産口座の開設数は1,100万口座を超え、利用者預託金は2.9兆円に達している。2005年にFX取引が旧金融先物取引法(2007年に金融商品取引法へ統合)の対象とされた当時の状況(2007年当時約80万口座)と比べても、多くの国民が暗号資産を投資対象として取引していることが伺える。 こうした流れを更に推進し、暗号資産を国民経済に資する資産とするためには、現時点において以下の施策を推進する事が必要である」 自民党が、暗号資産を「国民経済に資する資産」と明確に打ち出したことはきわめて大きい。申告分離課税の議論では、しばしば「暗号資産は国民の資産形成に資するものとはいえない」などと言われるが、そうした主張を真っ向から打ち破るものだ。 緊急提言は、さらに具体的な施策として、以下の3つをあげている。 1.暗号資産取引による損益を申告分離課税の対象へ  2.暗号資産に関する規制の枠組み等について  3.国民経済に資する資産となるためのサイバーセキュリティへの取り組み  「1.暗号資産取引による損益を申告分離課税の対象へ」については、2023年、2024年のweb3ホワイトペーパーにすでに「ただちに対処すべき論点」として盛り込まれていたが、暗号資産を「国民経済に資する資産」と位置づけたうえで、第1の取り組みにあげている。 米国政府はビットコイン、イーサリアムを「米国民の資産形成に資する資産」と認め、それぞれ現物ETFの上場を認可している。暗号資産、少なくともビットコインとイーサリアムは、資産として大きな存在感を獲得していることは間違いない。 「2.暗号資産に関する規制の枠組み等について」については、現在、金融庁で、現行の資金決済法での規制から金融商品取引法(金商法)での規制とすることが検討されている。金商法での規制となれば、ETFの実現、申告分離課税の問題はクリアになる。1.と2.は表裏一体の課題だ。 イノベーションを阻害しない規制の枠組みを ただし、Web3ビジネスすべてが金商法での規制となれば、その要求は現状よりもハードルが上がり、対応できない事業者も出てくる。この点は、これまでweb3PTの座長を務めた平将明デジタル大臣や、ビットバンクの代表取締役社長CEOで、JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)理事、JCBA(日本暗号資産ビジネス協会)会長の廣末紀之氏もCoinDesk JAPANのインタビューで指摘している。 もちろん緊急提言も「web3ビジネスが金融事業のみならず多様な非金融事業をも含むことから、イノベーションを阻害することのないよう、多様な意見を尊重しつつ、最適な規制法の枠組みはどうあるべきかについて検討を進めるべきである」と記している。 事情に詳しい関係者によると、規制の見直しは、2025年春頃には金融庁から方向性が示される見通しだ。2025年に新たな規制の枠組みが決まり、併せて申告分離課税の問題もクリアになる可能性は高まる。 2024年、米国のビットコインETF承認、トランプ氏の大統領選勝利で暗号資産 / Web3は特に年末に向けて盛り上がりを見せた。2025年はステージがもう一段上がる1年となりそうだ。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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MiCA施行期限が迫る中、欧州証券市場監督機構が最終ガイダンスを発表

ESMA(欧州証券市場監督機構)は、逆勧誘や暗号資産の金融商品としての適格性についてのガイドライン、システム管理、市場濫用防止に関する技術基準などについての最終報告書を発表した。 EU各国では、ESMAの技術基準の影響もあり、MiCAの導入に遅れが生じている。 ESMAは12月17日、加盟国が暗号資産市場規則(MiCA)を実施するための最終ガイダンスを発表した。内容は、逆勧誘(未認可のサービス事業者が規制を避けるために、顧客が自発的にサービスを開始するようにすること)、暗号資産を金融商品として認定するための条件と基準、システム管理、市場濫用防止に関する技術基準などである。 MiCAは、27カ国の加盟国全体で12月30日までに発効することになっている。しかし、MiCAを実施するための法律がまだ整備されていない国もある。 ポルトガルの中央銀行は16日、CoinDeskに対し、法律が通過していないため、どの管轄当局がMiCAを担当するのかまだ決定できていないと述べた。 ESMAが10月に最終的な技術基準を発表してから施行日までの期間が短かいことも、各国所轄当局による遅れの一因であると業界団体はCoinDeskに語っている。 ESMAのヴェレーナ・ロス(Verena Ross)長官は、「今後、移行期間が進むにつれて、我々は引き続きガイダンスを提供し、MiCAの円滑な実施を確保し、監督を一本化させることを通じて公平な競争条件をサポートするために、すべての各国所轄庁と協力していく」と述べた。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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ビットバンク、東証上場にこだわる廣末社長の胸の内

トランプ氏の大統領選勝利をきっかけに、ビットコインが高騰して10万ドルを超えるなど、暗号資産には強い追い風が吹いている。だが日本では金融庁による規制の見直し、DMMビットコインの廃業、さらには業界再編が囁かれ、国内は「2社でいい」との発言がニュースにもなった。2025年の暗号資産業界はどうなっていくのか。今年創業10周年を祝ったビットバンクの代表取締役社長CEOであり、JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)理事、JCBA(日本暗号資産ビジネス協会)会長の廣末紀之氏に聞いた。 暗号資産BtoBビジネスへの準備 ──最近、ドジャースの山本由伸投手を起用したCMをテレビでよく見る。CMの反響は。 廣末氏:今年の春に山本選手と契約をして、シーズン前に撮影した。その後、夏は相場も低迷していたのでタイミングを見計らっていたが、山本選手が怪我から復帰して、ドジャースも勝ち上がって、ワールドシリーズ進出を決めた。非常にタイミングが良かった。山本選手にとっても、単独出演としては初の全国放送のCMで、アリゾナでの撮影は非常に協力的に進んだ。 ──トランプ氏が次期大統領に当選したことで、暗号資産市場は非常に盛り上がっている。予想は難しいと思うが、この状況はいつまで続くと考えているか。 廣末氏:今年の相場のカタリストは、ビットコインETFと半減期、米国の金融緩和、それと大統領選の4つがあげられる。通常、ビットコイン相場が着火するタイミングは、半減期の概ね半年後ぐらい。それが経験則としてある。今年は、米大統領選で共和党が暗号資産を支援する姿勢を打ち出して、新たなトリガーにもなった。我々もそうした予測のもと、信用取引の開始やCMなど、いろいろ準備していた。 相場の先行きについては、あくまでも個人的なものだが、通常半年ぐらいは好調を維持し、来年上期ぐらいまでは上下はありつつも好調だと考えている。しばらくはサマーシーズンが続き、そこからまたオータム、ウィンターがあるだろう。オータム入りのきっかけがあるとすれば、トランプ氏の政策によって米国でインフレが進み、金利が引き上げられて、マーケットからお金が吸い上げられたときに、もしかしたら変化点が来る可能性がある。米国の経済指標は堅調で、当面はそうした機運にはならないと見ているが、過去、アメリカではボルカー氏がFRB議長だった「ボルカー時代」にインフレに直面している。来年半ば以降は要注意だろう。 ──次のオータム、ウィンターに向けて考えていることは。 廣末氏:一番にやらなければならないことは、オータム、ウィンターのときに「次のサマー」の仕込みをしておくこと。まずは取引所をさらに強化しなければいけない。不足していることがまだある。積立、ステーキングの銘柄数、デリバティブなど、ユーザーからの要望が届いている。今年については、オリコン顧客満足度ランキング「暗号資産取引所 現物取引」においてNo.1を獲得したこともあり、サービス品質は、一定の支持をいただいていると思っているが、海外も含めて一番良いサービスづくりを進めていきたい。 今、非常に大きなトピックとしては、金融庁が「暗号資産の再定義」を検討していることがある。具体的には、規制のフレームが資金決済法から金商法(金融商品取引法)に大きく変わる可能性がある。この背景にあるのが、暗号資産の個人の分離課税の問題、ビットコインETFの登場、そしてRWA(現実資産)を含めた金融商品化の進展だ。 そして、こうした動きを踏まえて2025年以降、非常に顕著になってくると考えられるのが、暗号資産のBtoBビジネスだ。金融機関をはじめとして、暗号資産のBtoBビジネスのフレームが整ってきて、関心がどんどん高まってくるだろう。我々としては、JADAT(日本デジタルアセットトラスト設立準備株式会社)を立ち上げて、こうした動きに備えている。「次のサマー」に花が咲くように進めている。 業界再編、IEOの見直し ──暗号資産の規制フレームが金商法に変わると、暗号資産取引所にとっては負担がますます大きくなる。 廣末氏:それは間違いない。不公正取引やインサイダー取引の対策強化が求められる。ただこれは、我々にとっては従来から力を入れてきたことだ。先ほど述べたように、今後、機関投資家が参入してくるとなると、業界全体でセキュリティやガバナンスのレベルをより一段、高めていかなければならない。 今、JVCEAのセキュリティ委員長として、「JPCrypto-ISAC」という暗号資産版のISAC(アイザック:業界に特化したサイバーセキュリティ関連の情報共有・分析を行う組織)の設立を目指している。業界全体で強度を高めながら、個々の企業もさらに統制を高めていく必要がある。 ──場合によっては業界再編もあり得るだろうか。 廣末氏:今、暗号資産業界に求められていることを考えると、対応すべきことが非常に多くなり、かつレベルが上がっている。システム、セキュリティ、マネーロンダリング、それから金商法特有の不公正取引、インサイダー取引への対策などがマストになる。再編は、金融ではよくあることで、常に起こり得るだろう。 業界としては、JCBA(日本暗号資産ビジネス協会)でも議論しているが、金商法のフレームに移行することで、取引所は実は対応が比較的明確になっているが、ウォレットやNFTを手がけている企業に大きな影響が出ないよう、落としどころを見つけていかなければならない。 IEOも個人的には見直しが必要だと考えている。実はビットバンクは、IEOは一切手がけていない。個人的には現状では情報開示が不十分で、ユーザーにオファーできないと考えている。もちろん今でも各社が定められたルールの中で行っている。だが、それでも投資家保護の観点から考えると、さらなるルール整備が欠かせないと思っている。そうしたことも含めて、金商法のフレームの中で整理して、あるべき姿に持っていく作業をJCBAで行っている。 [TVCMの撮影風景:ビットバンク提供] 日本版ビットコインETF ──日本版ビットコインETFに向けた準備も進めているのか。 廣末氏:日本でもいずれ、ビットコインETFは実現するだろう。ただし、ビットコインのカストディ(管理・保管)、あるいはETF運用会社向けの売買を誰が担うのかという問題がある。日本には、顧客の暗号資産を預かることができるところは現状、暗号資産交換業しかない。そのなかでも、これまで事故を起こさず、十分な統制が取れているところは数少ない。我々はこの点には自信がある。そのうえで、JADATは三井住友トラスト・グループ(SMTG)と一緒にやっている。 今後、さまざまなアセットがデジタル化し、オンチェーン化してくると考えており、「オンチェーン・デジタルアセット」を取り扱える会社が必要になる。JADATはこの領域で役割を果たし、ETFやトークン化RWA(現実資産)に対応していきたい。 交換業でもカストディは可能だが、機関投資家向けビジネスは、データのやり取り、レポートの作り方など、これまでのBtoCとはまったく違ってくる。ビジネスを伝統的金融のオペレーションに乗せなければならない。我々もSMTGから学びながら、フローを整備している。 ──BtoBビジネスの観点では、2023年末に交換業者間の決済効率性を目的とした「業界横断ステーブルコイン」の話があり、御社も検討に参画すると伝えられた。現状はどうなっているのか。 廣末氏:ステーブルコイン、特に日本円建てのステーブルコインは、収益をどうあげるかが大きな課題だ。ユースケースをどこに作るかが難しく、簡単ではない。ドル建てステーブルコインは、暗号資産取引の面では海外とのアービトラージが行いやすくなるので、ニーズはあると考えられるが、日本では海外発行ステーブルコインは規制が厳しい。 ──当時のリリースでは、海外の流動性プロバイダー(LP)との資金決済に活用するとの話だったが。 廣末氏:流動性は自社ですべてカバーしている。取引所の価値は流動性を持っていることだと考えており、頑張ってやっている。販売所だけを展開している企業にとっては、LPとやり取りするときにステーブルコインは有用かもしれない。 重点領域はライトニングとAI [Bitbank Ventures合同会社設立のリリースより] ──11月はじめに、Web3に特化した投資会社を設立した。狙いは。 廣末氏:もともとビットバンク自体で投資事業を手がけてきた。それを改めてCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)という形に整理して、1本化した。CVCは、キャピタルゲインを狙いに行くという目的は当然あるが、本質的には新技術のリサーチ、あるいは投資を含めた事業連携を狙っている。具体的には、ライトニングネットワークやAIは重点領域と考えており、CVCからの参加を通じて、ビジネスを拡大していきたい。 ライトニングは、入出金への実装も予定している。ユーザーにとっては入出金にコストがかからなくなり、スピードも改善される。ビットコインはもともと決済手段として誕生したが、デフレ構造を取っているがゆえに決済手段にはなり得ないと考えている。 だが、決済に使えないかというとそんなことはなく、ライトニングを使えばいい。だからこそ、この分野についての研究開発は手を緩めないし、実際に入出金でユーザーにベネフィットを出していく。 ──アメリカでは取引所大手のコインベース(Coinbase)がイーサリアムレイヤー2を手がけ、人気を集めているが、そうした考えはないか。 廣末氏:今のところは議論にあがっていない。事業シナジーの面から今はフィットしないと見ているし、上場を見据えるなかで会計や監査の観点から問題になりそうなことには手が出しにくい。 一方で、個人的にはAIに非常に関心を持っている。今後10年、最も重要な変化は、AI社会への変化であり、ワークスタイルも含めて社会全体が劇的に変わる可能性がある。 社内では常々、暗号資産は「人のためというより、機械が使うことに適している」と話している。決済で考えると、今のキャッシュレス決済の方がはるかに便利で、そこに無理やり暗号資産を持ち込んでもダメだと。ところが、AIが発展して、一種の「機械化経済」が誕生したときには、AIが使う決済手段としては、暗号資産は最適。今後10年間で「自動機械化経済圏」ができると考えており、そのときにこれまで蓄積した技術を活用して新しいビジネス領域を作っていきたい。 東証に正面から ──「自動機械化経済圏」ができたとき、人間の役割はどうなるか。 廣末氏:仕事の概念は変わってくるだろう。歴史を振り返ると、経済の効率化・機械化・自動化で人間はどんどん働かなくなっている。AI社会になり、週休4日5日が当たり前になるだろうが、そのときに人間は何をするのか。私もまだそこまで想像できていない。しかし、社会が大きく変わることは間違いない。 ──かなりコンセプチュアルな話になったが、2025年、先ほど触れた上場など、どんなことを視野に入れているのか。 廣末氏:直近では、コインチェックが米ナスダックにSPAC上場した。これは素晴らしいことだが、暗号資産業界はこれまでいろいろなことを言われて、白い目で見られることもある業界であり、我々は日本でプレーしているので、東京証券取引所に正面から上場して、社会からの認知もあげたいと考えている。 ビットバンクは2014年、2017年の強気相場には、規模の面からうまく乗れていない面があり、大手2社のコインチェック、ビットフライヤーに遅れを取った。だがサービス品質には自信を持っている。今後もそこは突き詰めていきたい。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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Japan Open Chain、SBINFTが新たにバリデータ参画

日本ブロックチェーン基盤は12月16日、NFTマーケットプレイス「SBINFT Market」を運営するSBINFTが、同社が運営するパブリックブロックチェーン「Japan Open Chain(JOC)」のバリデータとして参画したと発表した。 バリデータは、ブロックチェーンの取引を検証し、トランザクションの承認を担う。JOCは、イーサリアム(Ethereum)完全互換のパブリックチェーンで、現在のバリデータには、ソニーグループのコーギア、電通、NTTコミュニケーションズ、みんなの銀行、TIS、京都芸術大学などが参画している。 SBINFTは、承認制のNFTマーケットプレイス「SBINFT Market」、マーケティングプラットフォーム「SBINFT Mits」、NFT発行・販売プラットフォーム「SBINFT LAUNCHPAD」を展開している。同社は今後、JOCを利用する企業や団体に対し、自社の持つNFT技術とノウハウを活用したサービスを提供する。 なお、日本ブロックチェーン基盤は暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードでIEO(Initial Exchange Offering)を行っている。JOCトークンはJapan Open Chainを利用するための手数料トークン。1口200JOC(6000円)となる一般抽選販売の申し込みは、あす17日23時まで受け付けている。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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CoinDesk「最も影響力のある人物2024」

米CoinDeskは、暗号通貨の2024年を象徴する50人を選出。 金融、テクノロジー、政策、アドボカシー(支持活動)など、さまざまな分野から選ばれている。 2024年は政治が大テーマとなり、規制も話題となった。 話題となったのは、予測市場、ETF、AI、DePIN、そしてビットコインドミナンス。 今年も「最も影響力のある人物」を選出した。2024年はきわめて重要な1年となった。達成と希望に満ちた1年。年初に広がっていた暗雲は消え、年末には青空が広がった。 1月にはビットコインETFが承認され、11月にはトランプ氏が米大統領に返り咲き、暗号資産(仮想通貨)のムードは一変。新たな投資家が市場に参入し、資金はさまざまなカテゴリーに流入した。 ビットコイン(BTC)は12月に10万ドルを突破して、最高値を更新。ビットコインドミナンスは70%を超えた。大統領候補者は戦略的ビットコイン準備金をアピールした。 ビットコインETFは、史上最も成功したローンチを記録し、すでに運用資産残高は1450億ドルにのぼる。ビットコインは広く認められた役割、すなわちデジタルゴールドとしての役割を見出し、新しい金融システムのベースレイヤーとしてその姿をますます現しつつある。 イーサリアムブロックチェーンは、長過ぎる開発ロードマップやソラナなどの新しいレイヤー1ブロックチェーンと比較してパフォーマンスが劣ることへの批判が飛び交った。それでも暗号資産イーサリアム(ETH)は年初から58%上昇(ビットコインは120%)、500以上のレイヤー2が誕生した。特にベース(Base)、オプティミズム(Optimism)、アービトラム(Arbitrum)は大きな注目を集めた。 ソラナブロックチェーンは、暗号資産ソラナ(SOL)が年初から111%上昇し、ミームコインなどのプロジェクトで活況を呈した。テレグラム(Telegram)は今や、真のブロックチェーンプレーヤーとなり、タップツウーアーン(タップして稼ぐ:Tap to Earn)ゲームで躍進し、世界中で何億人ものプレーヤーを集めた。 DePIN(分散型物理インフラネットワーク:Decentralized Physical Infrastructure)はカテゴリーとして成長し、現実世界(Real World)のインフラ(通信、電気、マッピングなど)と暗号資産の新しい形での普及を促進した。 ポリマーケット(Polymarket)は、予測市場が従来の世論調査よりも優れている可能性を示し、暗号資産トレーダーや一般の人々にとってはCNNと同等の存在となった。AIはあらゆるものの一部となった。 ステーブルコインは取引高で最も人気の高い暗号資産であり続け、グローバル決済レイヤーとしてこれまで以上にその姿を現した。 USDTが支配的であり、利益を潤沢に得たテザー社は米国でもいずれ合法的に取引できるようになることを期待して、USDT以外のさまざまなプロジェクトに投資している。 暗号資産は真の政治的影響力を示し、トランプ氏や50人以上の連邦議会候補者の当選に貢献した。Fairshakeのような政治活動委員会(PAC)は、2026年に向けて影響力を増しつつあるように見える。 ヨーロッパはアジアや米国ほど活発ではないが、MICAを導入し、包括的な政策枠組みを持つ最初の地域となった。香港とシンガポールは、アジア太平洋地域をリードした。 「最も影響力のある人物2024」の選出方法 米CoinDeskが暗号資産のこの1年を象徴する人物を選出するのは今回で10回目となる(2015年の第1回はこちら)。 「最も影響力のある人物(Most Influential)」は、その年における個人的な功績を強調する。選出される人物は、プロジェクト、アイデア、リーダーシップ、個性、悪名高さなどによって選出される。候補者は、ETFからコード開発に至るまで、1年のストーリーやトレンドを体現する。 いよいよ「「最も影響力のある人物(Most Influential)2024」を発表しよう。我々が、並外れた影響力を持っていた、あるいは最も重要なプロジェクトを主導していたと考える人々だ(続く、40人も紹介する)。 ただし、暗号資産界隈の有名人、例えばヴィタリック・ブテリン氏などは、当然ながら毎年「最も影響力のある人物」に選ばれるだろう。しかし、毎回同じ名前を挙げることはしない。 イラストはPudgy Penguinsに協力いただいた。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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地方創生でのブロックチェーン活用、円建てステーブルコインにも期待【平デジタル大臣インタビュー】

自民党web3PT座長として、暗号資産税制の改革、DAO(分散型自律組織)に関する法整備などを推進し、日本のWeb3推進を牽引してきた平将明氏が10月、石破政権でデジタル大臣に就任した。就任後すぐに衆院選があり、波乱含みのスタートとなったが、11月に発足した第2次石破政権でも引き続きデジタル大臣に就いた。 CoinDesk JAPANは11月27日、平デジタル大臣にインタビューを行い、トランプ政権誕生をどう見ているか、地方創生2.0においてブロックチェーンに期待すること、さらには暗号資産規制の行方などについて聞いた。 マスク氏の「政府効率化省」など米国の動きを注視 ──アメリカでは第2期トランプ政権が発足する。日本のWeb3は規制の明確さ、将来予見性などで世界から注目されたがアメリカが一気に進む可能性が出てきた。2024年は日本ではステーブルコインもまだ登場せず、顕著な動きがなかったように思う。Web3の現状をどう捉えているか。 平デジタル大臣:振り返ると「クリプト・ウインター(暗号資産の冬)」と言われるWeb3不遇の時代があったが、その前に自民党web3PTがホワイトペーパーを出し、Web3推進の機運が高まって、岸田総理(当時)も成長戦略の文脈で講演の中でweb3に触れた。スタートアップのみならず、大企業もWeb3に取り組む機運が高まった。日本の大企業は一旦決めたら、きちんと進めるので、その後のクリプト・ウインターの間も準備を進めてきたと理解している。 クリプト・ウインターが終わり、さらにトランプ氏の当選で一気に真夏が来そうな雰囲気となり、日本のWeb3はこれからいろいろなサービスが登場すると考えている。 米国ではイーロン・マスク氏が「政府効率化省(D.O.G.E)」のトップに就任するという話があり、ITに精通し、AIや暗号資産にも詳しい人物だけに、さまざまなテクノロジーが融合する大きな流れが米国から出てくるかもしれないが、日本も遅れを取らないようにしたい。 ──イーロン・マスク氏の政府効率化省の発足は、デジタル庁にとっても追い風となるのでは。 平デジタル大臣:デジタル大臣とともに、行政改革担当大臣も拝命した。その意味では米国の動きには大変注目している。AI政策も推進しており、行政にどうAIを実装していくかは大きなテーマだ。先日、「AIアイデア・ハッカソン」を開催したが、5時間ぐらいで38個のプロトタイプができ、AIが行政改革に有効なことを確信したところだ。 またブロックチェーンについては、石破政権は「地方創生2.0」を政策の柱としており、人口減少下において、地方をどうやってサステナブルにしていくか、地方が持っている価値をどう最大化して、経済を活性化していくかという課題にチャレンジしていく。ここではAIのみならず、ブロックチェーンの活用に期待している。 日本の体験価値NFTを一覧できるプラットフォーム ──NFTを使って「地方が持つアナログの価値を最大化する」「儲かる地域を創る」と発言しているが、地方でのNFT活用に向けて、どのような支援を行っていくのか。 平デジタル大臣:ブロックチェーンと地方創生の掛け算を明確にイメージできる人はまだ少ない。まずは具体的なイメージを閣僚の中でも共有することが大事だし、地方創生に携わるさまざまなステークホルダーにもイメージしてもらうことが大事だと思っている。 地方創生は10年前に当時の安倍政権において石破地方創生大臣のもとで始まったが、そのときにはできなかったことがブロックチェーンが出てきたことによってできるようになった。例えば、関係人口をどう増やしていくかという課題の中で、NFTを購入した人がデジタル村民になり、DAO(分散型自律組織)を地域の人とともに運営するなど、ブロックチェーンは地方創生の中で必要な解決策に貢献できると思っている。 特に私が関心を持っているのは、地方の体験価値をNFT化することだ。今、世界中の人が日本に来て、都市だけでなく、地方を訪れている。NFT化によって、地方の体験価値をグローバル価格に引き直すことができるし、スマートコントラクトを活用して、実際に汗をかいた人に還元する仕組みができる。 政府にできることは、成功事例を増やしていくこと、多くの人に理解してもらうこと。来年は大阪・関西万博もあるし、日本の体験価値NFTを一覧できるプラットフォームがあれば面白いのではないか。 円建てステーブルコインの登場に期待 ──先日、NFT活用で山古志地域を視察した際にはマイナンバーカードを使った決済を体験している。マイナンバーカードはいろいろな議論があるが、マイナンバーカードを使ったウォレットを国が整備するというアイデアはあるのか。 平デジタル大臣:マイナンバーカードはいろいろな使い途がある。いわゆる「マイナ保険証」もスタートしており、マイナンバーカードを持ち歩くことが当たり前になり、いずれ、スマートフォンに搭載されるようになるだろう。マイナンバーカードが交通系ICカードのようにお金をチャージできて、決済に使えるようになることは、マイナンバーカードの普及にとっても良いし、スマートフォンが苦手な人にとってもUI/UXの面で優れていると思う。 こういう活用事例は歓迎すべきことであり、また、地方や商店街などでプレミアム商品券を配布する事例があるが、それらをデジタル化することにも応用できるだろう。新しいテクノロジーが出てきたときに、地域活性化や経済活動にどう活用するかは、今後、いろいろなアイデアが出てくると考えている。 ひとつ注文があるとすれば、決済はいずれステーブルコインと紐づくことになるだろうが、現状、ステーブルコインはドル建てのものしかない。ぜひ国内の事業者には円建てのステーブルコインをできるだけ早く出していただきたい。 ──海外からインバウンド客がやってきて、今後、日本でドル建てのステーブルコインが使われるようになると、国内で実質的にはドルが使われることになり、米国の「ドル覇権」がますます強まることになる。円安が進み、円の価値が下がっている状況で、Web3が貢献できることはあるだろうか。 平デジタル大臣:この問題はいろいろな文脈があるが、例えば、日本の事業者が海外のプラットフォーマーに利用料を支払う「デジタル赤字」の話では、プラットフォーマーにお金を支払ったとしても、プラットフォームの上で、日本が得意とするコンテンツや観光体験で大きな付加価値を生み出せるのであれば、さほど気にすることはないと考えている。 Web2では日本はプラットフォームをまったく獲得できなかったが、ブロックチェーンではプラットフォームを築ける可能性があるし、アプリケーション、コンテンツの価値がさらに増大するのであれば、日本にとって強みを生かせる経済モデルになる。 合同会社型DAOは過渡的な対応 ──地方創生では、DAO(分散型自律組織)の活用も期待されているが、どのようなことに注目しているか。 平デジタル大臣:自民党web3PTの提案で合同会社型DAOが法制化された。今後、いろいろな事例が出てくることを期待している。また、あのときも「DAOルールメイクハッカソン」を行ったが、ハッカソンを定期的に行って事例を共有することで、取り組みが加速したり、水平展開が図れると考えている。 ──合同会社型DAOについては、リターンが出資額までに限られるなど、トークンの利用に制限があり、使いにくいという声も出ている。 平デジタル大臣:まだ過渡的な対応だ。法人格の問題を解決するために、今の法体系の中で、すぐにできる現実的な対応を行った。最終的には「DAO法」のような包括的な法律を作って、DAOを運営しやすくすることが必要だろう。 ──DAOのみならず、日本ではまだトークンの発行、取引などにハードルがあり、ビジネスへの活用が難しい。 平デジタル大臣:金融庁の管轄になるが、自民党web3PTの旗振りで、まず自社発行トークンの時価評価を外し、その翌年には他社発行トークンの時価評価も外した。あとは大きな課題として、暗号資産を売却したときのキャピタルゲインに対する課税の問題が残っている。暗号資産は、業界自体も金融庁に厳しい対応を受けてきた経緯があるが、web3PTを作り、政府を巻き込んで、真面目に幅広く、深く議論してきたことで、今は金融庁も変わってきている。 さらに米国でビットコインETFが承認された。日本では投信法で暗号資産はETFの投資対象となる「特定資産」に含まれていないが、世界の金融情勢を見ると、ビットコインなどの暗号資産は金融商品として一定の役割を果たしている。暗号資産ETFをどう考えるのか。メジャーな暗号資産とそれ以外の暗号資産を分けるのかなど、整理の仕方があるだろう。今、ちょうど金融庁で本格的な勉強会が立ち上がっていると聞いている。 ──現在、資金決済法で規制されている暗号資産を金融商品取引法(金商法)の対象とすべきかなどを議論すると伝えられている。金商法になれば、暗号資産ETFの道筋も開けるが、どのような規制が望ましいと考えるか。 平デジタル大臣:悩ましいところもあって、金融商品となると金融の規制が入ってくる。メジャーではないトークンに対しても、金融の厳しい規制が入るので、かえっていろいろな動きを阻害してしまう可能性もある。一方、メジャーな暗号資産だけに着目すれば、現状は海外に比べてキャピタルゲインへの課税が厳しいことは事実。どう整理するかは、そう簡単ではない。 Web3の発展にとって、どういう規制のデザイン、税制のデザインが良いのかを考える必要がある。 ──2025年、デジタル大臣、行政改革担当大臣として注力していくことは。 平デジタル大臣:まずは地方創生2.0において成功事例を「✕(かける)デジタル」「✕ Web3」「✕ AI」でどれだけ出せるかが重要なポイントだと思っている。また、AIは進化が激しいので、行政への実装は着実に進めていくが、社会全体にどう実装していくのか。さらに言えば、生成AIは使い方がわかってきた印象があるが、日本にはいろいろな社会課題があり、働き手不足もこれからさらに深刻化していくことが見えているなかで、社会課題を解決するAI実装が問われる1年になると考えている。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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Progmatなどが海外不動産を対象としたセキュリティ・トークン実現へ──米国有名ホテルなど、2025年の発行目指す

セキュリティ・トークン(デジタル証券)を活用した海外不動産投資が2025年に実現しそうだ。 セキュリティ・トークン(ST)やステーブルコイン(SC)の発行・管理基盤を手がけるProgmat(プログマ)が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」(会員組織数282)は12月12日、ST化対象アセット拡大を目的に設置した「STアセット拡張ワーキング・グループ(WG)」における海外不動産ST実現に向けた検討結果を中間整理として公表した。 STアセット拡張WGは今回、第1期として、海外不動産を対象としたSTを最優先検討アセットとして、「中間整理」を取りまとめた。 続く第2期では、海外不動産STに続く新たなアセットのST化に向けた検討を開始するとともに、海外不動産STについては具体的な案件を2025年内に発行することを目標に、個別プロジェクトを会員企業と共同で実施するとしている。 複数物件で発行に向けた動き Progmat代表取締役の齊藤達哉氏によると、米国の有名ホテルなど、すでに複数の物件で発行に向けて動き始めているという。不動産STはこれまで、国内物件のみだったが、これが実現すると、個人投資家がより簡単に海外不動産にも投資できるようになる。 海外不動産への投資手段としては、海外物件を組み込んだREITが存在するが、REITは複数物件を一括して運用するため、特定の不動産を投資対象とすることはできない。一方、セキュリティ・トークンは、個別の物件を対象とするため、具体的なイメージが持ちやすく、海外不動産であっても従来にない「手触り感」が実現できる。 さらに海外は日本に比べて金利が高く、不動産投資においても高い利回りが期待できるという。 ST「一時停止」の理由 またProgmatは同日、STの最新動向をまとめた資料も公開。STは2020年に法制化されて以来、急速に成長したが、2024年は、映画製作委員会への出資持分を対象とするSTという新しい切り口のSTしたものの、不動産STは案件数は横ばい、組成金額も伸び率は鈍化したと記している。 2024年、特に第2四半期以降、STの発行が「一時停止」した理由については、ST発行スキームの要である受益証券発行信託について「2つの税制改正」を要望中のためと説明。この税制改正が実現すれば「動産ST」「出資持分ST」「海外アセットST」が発行可能になり、2025年は税制改正を受けた「新しいアセット」と、ステーブルコイン利用を前提とした「新たな取引形態」が注目されるという。 齊藤氏は、STアセット拡張WGの報告書を踏まえ、「STが海外不動産にも広がれば、発行件数や発行額がさらに押し上げる効果が期待できる」と述べている。 免責事項 : 本サイトは当ページのいかなるコンテンツや製品も推奨していない。本サイトは世界中他言語グローバルブロックチェーンサイトから引用したすべての重要情報を提供することを目的にしています。読者は上述の内容に関係したあらゆる行動をとる前に独自の調査を行い、自身の決断については全責任を負わねばならない。また、当記事は投資や金融商品購入のアドバイスではない。内容を参考としてご自由にご利用ください。

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