暗号資産決済企業のMoonPayは、ウォレット鍵のリスク対策として、Ledgerハードウェアウォレット保護機能を備えたAI暗号資産エージェントを導入した。
新たに追加されたこの機能により、ユーザーはAIエージェントが生成するすべての取引をLedgerのハードウェアデバイス上で確認および署名できるようになり、秘密鍵が一切ハードウェア署名機器の外に出ることはなくなる。
MoonPayは、MoonPay Agents向けのコマンドラインインターフェース(CLI)ウォレットにLedgerのハードウェアウォレット署名機能を追加したと発表した。これにより、自律型暗号資産取引ツールが抱えるセキュリティ上の課題に対応している。
今回の統合により、すべての取引をLedgerのハードウェアデバイス上での確認と署名を求められ、秘密鍵は外部へ一切露出しない。MoonPayは、このCLIウォレットが同社のDevice Management Kitを通じたLedgerのセキュア署名をサポートする点で、エージェント特化型ウォレットとして初の取り組みであると説明している。
自律型暗号資産エージェントは、取引戦略の実行やポートフォリオのリバランス、チェーン間資産移動といった操作を人間の常時介入なしに自動化するツールとして注目されている。しかし、多くの既存実装ではユーザーがウォレット鍵に直接アクセスを許可しなければならず、セキュリティ面の不安が普及の妨げとなっていた。
MoonPayのCEO兼創業者であるイヴァン・ソト=ライト氏は、「自律型エージェントは将来的に数兆ドル規模のデジタル資産を管理することになるだろう。しかし、セキュリティのない自律性は無謀だ。私たちはLedgerと協力し、MoonPay Agentsを構築して制御を失わずに知能を拡張できるようにした。エージェントは実行し、人間はループ内にとどまる」と述べている。
一方、Ledgerのチーフ・エクスペリエンス・オフィサーであるイアン・ロジャーズ氏は、今回の統合は開発者向けウォレットやAI駆動型ツールが暗号資産分野で増加している動きを反映しているとコメントした。
ロジャーズ氏は「CLI中心やエージェント中心の新しいウォレットの波が生まれており、それらのウォレットにLedgerのセキュリティ機能が不可欠になる」と述べている。